ロコモティブシンドローム
(ロコモ)とは
ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)とは、骨や関節、筋肉、神経などの運動器の障害によって移動機能が低下した状態を指します。進行すると、将来的に要介護となるリスクが高まる可能性があります。
「ロコモティブシンドローム」という言葉は、英語で「移動」を意味する locomotion(ロコモーション) や、「移動する能力」を表す locomotive(ロコモティブ) に由来しており、移動するための能力が低下した状態を表しています。「ロコモ」はその略称です。
人が立つ、歩く、体を動かして作業を行うといった日常生活の動作は、骨・関節・筋肉・神経などが連携して働くことで成り立っています。これらの身体の仕組み全体を「運動器」と呼びます。運動器に障害が生じると、立つ・歩くといった基本的な移動能力が低下し、ロコモティブシンドロームの状態につながります。
また、要支援・要介護となる原因の中で多いのが、転倒や骨折、関節疾患などの運動器の障害です。
しかし、この事実はまだ十分に認知されていないのが現状です。
そのため、運動器の健康を保ち、移動機能の低下を予防することが重要とされています。
ロコモチェック
ロコモの可能性をチェック!
7つのロコチェック
ロコモティブシンドロームの可能性は、「ロコチェック」で簡単に確認することができます。
ロコチェックは、骨や関節、筋肉などの運動器の衰えを確認するための7つの項目です。1つでも当てはまる場合は、ロコモの可能性があります。該当項目がない状態を目指して、ロコトレ(ロコモーショントレーニング)などの運動に取り組むことが大切です。
□ 片脚立ちで
靴下がはけない
□ 家の中でつまずいたり
すべったりする
□ 階段を上がるのに
手すりが必要である
□ 家のやや重い仕事が
困難である
(掃除機の使用、
布団の上げ下ろしなど)
□ 2kg程度の買い物をして
持ち帰るのが困難である
(1リットルの牛乳パック
2個程度)
□ 15分くらい続けて
歩くことができない
□ 横断歩道を青信号で
渡りきれない
ロコモティブシンドロームの
原因と対策
ロコモティブシンドロームの原因には、
下記のようなものがあります。
1.主な運動器疾患(三大原因)
- 骨粗鬆症: 骨がもろくなり、骨折・転倒しやすくなる。
- 変形性膝関節症: 膝の軟骨がすり減り、痛みで歩行が困難になる。
- 腰部脊柱管狭窄症: 腰痛や神経圧迫による下肢のしびれで歩けなくなる。
2.生活習慣・身体的要因
- 運動不足・活動量低下: エレベーターや自動車の利用など、体を動かさない生活。
- サルコペニア: 加齢による筋肉量の減少。
- 肥満・痩せすぎ: 関節への過度な負担や、栄養不足による骨・筋肉の脆弱化。
- 栄養不足: タンパク質、カルシウム、ビタミンDの摂取不足。
3.社会的・環境的要因
- 外出の減少: 社会的交流が減り、動く機会が減る。
- 痛みの放置: 膝や腰の痛みを我慢して動かないこと。
年齢に関係なく、これらに心当たりがある方は、運動習慣を身につける、生活習慣を見直すなどの対策が大切です。
また、関節や筋肉に痛みがある場合は、整形外科を受診し、必要に応じて理学療法士による運動療法を行うことが推奨されます。
家の中で簡単にできるトレーニングを取り入れて、
運動機能をしっかり保ちましょう
いつまでも元気な足腰を保つためには、「ロコトレ(ロコモーショントレーニング)」を継続することが大切です。
ロコトレの基本となる運動は、「片脚立ち」と「スクワット」の2つです。
ロコモの程度は人それぞれ異なるため、ご自身の体調や体力に合わせて、無理のない範囲で安全に行いましょう。
バランス能力をつけるロコトレ
1.片脚立ち
左右とも1分間で1セット、1日3セット
POINT
支えが必要な場合は、転倒に十分注意し、机などに手や指をついて行いましょう。
下肢筋力をつけるロコトレ
2.スクワット
5~6回で1セット、1日3セット
1
足を肩幅に広げて立ちます。
2
お尻を後ろに引くようにして、2〜3秒かけてゆっくり膝を曲げ、同じくゆっくり元に戻します。
※膝がつま先より前に出ないよう注意しましょう。
スクワットが難しい場合
・イスに座り、机に手をついて立ち座りの動作を繰り返します。
・机に手をつかずにできる場合は、手を前にかざして行います。
POINT
- 運動中は息を止めず、自然に呼吸を行いましょう。
- 膝は90度以上曲げすぎないよう注意してください。
- 支えが必要な場合は、転倒に十分注意し、机などに手をついて行いましょう。
- 楽にできる場合は、回数やセット数を増やして行っても構いません。