「雨が降る前になると膝が痛くなる」「寒暖差が大きい日に首や腰がつらい」「交通事故のあと、天気が悪い日は痛みが強くなる気がする」。このような症状を経験されたことはありませんか。
実際に「天気が悪い日に関節が痛む」「交通事故のむち打ち症状が雨の日に悪化する」と相談される患者さんは少なくありません。
今回は、寒暖差や雨の日に関節が痛む理由と、交通事故後の痛みとの関係について解説します。
寒暖差や雨の日に痛みが出るのはなぜ?
最も大きな原因の一つと考えられているのが気圧の変化です。
低気圧が近づくと、大気中の圧力が低下します。すると、関節や筋肉、靱帯などの組織がわずかに膨張し、炎症を起こしている部位や神経が刺激されやすくなります。
また、耳の奥にある「内耳」は気圧の変化を感じ取る器官ですが、この刺激によって自律神経のバランスが乱れることがあります。交感神経が優位になると血流が悪くなり、筋肉が緊張し、痛みを強く感じやすくなると考えられています。
寒暖差による筋肉のこわばり
冬場や季節の変わり目など、朝晩の寒暖差が大きい時期は筋肉や関節が硬くなりやすくなります。
筋肉が硬くなると
- 首や肩の痛み
- 腰痛
- 膝の痛み
- 肩関節の痛み
などが悪化することがあります。
特に高齢の方では、変形性膝関節症や変形性腰椎症などの持病がある場合、気温の低下によって症状が強くなる傾向があります。
交通事故後の痛みが天気で悪化することも
交通事故による**むち打ち(頚椎捻挫)**や腰の捻挫では、レントゲンで異常がなくても筋肉や靱帯、関節包などの軟部組織が損傷していることがあります。
受傷直後だけでなく、数週間から数か月にわたり
- 首の痛み
- 肩こり
- 頭痛
- 腰痛
- 手のしびれ
などが続くことも珍しくありません。
こうした組織は気圧や気温の変化の影響を受けやすく、雨の日や寒い日に症状が悪化する患者さんも多くみられます。
「事故から時間が経ったから仕方ない」と我慢してしまう方もいますが、症状が続く場合は適切な治療を継続することが重要です。
放置すると慢性化する可能性も
交通事故後の痛みを放置すると、筋肉の緊張が続き、慢性的な首や腰の痛みに移行することがあります。
また、痛みを避ける姿勢が続くことで身体のバランスが崩れ、肩や背中、腰など別の部位にも負担がかかることがあります。
「雨の日だけだから」「我慢できる程度だから」と放置せず、一度整形外科を受診することをおすすめします。
整形外科で行う検査と治療
交通事故後の症状では、まずレントゲンなどで以上がないか確認します。
必要に応じてMRI検査が必要な場合には適切な医療機関をご紹介します。
症状に応じて
- 消炎鎮痛薬
- 湿布や外用薬
- リハビリテーション
- 温熱療法
- 電気治療
- 神経ブロック注射
などを組み合わせて治療を行います。
特にリハビリでは、硬くなった筋肉をほぐし、関節の動きを改善することで、気候の変化による痛みの軽減が期待できます。
交通事故後は早めの受診が大切です
交通事故では、事故直後には痛みがなくても翌日以降に症状が現れることがあります。
保険会社への対応や診断書の作成、自賠責保険による治療の手続きも、早めに整形外科を受診することでスムーズに進めることができます。
また、自己判断で治療を中断すると、症状が長引くだけでなく、自賠責保険での補償に影響する場合もあります。
寒暖差や雨の日に関節や首・腰の痛みが強くなる場合は、単なる「天気のせい」と決めつけず、適切な診察を受けることが大切です。
整形外科医は痛みの治療のプロフェッショナルです。患者さん一人ひとりの症状に合わせて検査・治療・リハビリを組み合わせ、痛みの改善と早期回復を目指します。
「雨の日になると事故後の首が痛む」「寒くなると腰痛が悪化する」「交通事故後の治療をどこで受ければよいか分からない」という方は、お気軽にご相談ください。早期に適切な治療を開始することが、症状の慢性化を防ぎ、日常生活への早い復帰につながります。
和田整形外科クリニック
院長 医学博士 和田慎一
日本整形外科学会専門医
日本リウマチ学会専門医
日本スポーツ協会認定スポーツドクター
日本運動器科学会理事
東京都臨床整形外科医会副会長