【整形外科で相談する肩こり】繰り返すつらさに、原因から向き合う治療という選択
「肩が重くて仕事に集中できない」「首を動かすたびにつらい」「マッサージを受けても、すぐ元に戻ってしまう」。肩こりは多くの人に身近な悩みですが、我慢を重ねている方も少なくありません。つらい肩こりが続くときは、整形外科で原因を確認し、ご自身に合った治療とリハビリを始めることが大切です。
肩こりは、長時間のデスクワークやスマートフォン操作、運動不足、姿勢のくずれなどにより、首から肩、背中にかけての筋肉が緊張して起こることがあります。一方で、頚椎の病気、肩関節のトラブル、腕や手のしびれを伴う神経の問題などが隠れている場合もあります。「いつもの肩こり」と決めつけず、症状の背景を見極めることが整形外科の役割です。
診察では、痛みやこりが出る場面、しびれ・頭痛の有無、首や肩の動き、姿勢などを丁寧に確認します。必要に応じてレントゲンや超音波(エコー)検査を行い、筋肉・関節・神経に関わる原因を総合的に考えます。原因が分かれば、薬や湿布だけに頼らず、生活習慣の見直し、物理療法、運動療法などを組み合わせた治療を提案できます。
強い筋肉の緊張や、押すと痛みが広がるような硬い部分がある場合には、トリガーポイント注射を検討することがあります。これは、痛みの引き金となっている部位に注射を行い、痛みの緩和を目指す治療です。痛みが和らぐことで首や肩を動かしやすくなり、次の治療へ進みやすくなることが期待されます。適応は症状や体調により異なるため、診察のうえで医師が判断します。
また、エコーで組織を確認しながら、筋膜などの滑りが悪くなっている部位に薬液を注入するハイドロリリースという治療もあります。ハイドロリリースはすべての肩こりに行うものではありませんが、症状の原因や部位に応じて選択肢となります。治療内容、期待できる効果、起こり得る痛みや内出血などのリスクを十分に説明し、納得いただいたうえで行います。
肩こりを繰り返さないためには、注射だけで終わらせないことも重要です。当院では、痛みの状態に応じたリハビリを通じて、首・肩甲骨まわりの動かし方や筋力、姿勢を確認します。理学療法士等の専門スタッフとともに、負担をためにくい身体の使い方、職場やご自宅で続けやすいストレッチ・運動を身につけていきましょう。
肩こりの感じ方や治療に対する反応には個人差があります。急に強くなった痛みなのか、何か月も続く慢性的な症状なのか、仕事・家事・睡眠にどの程度影響しているのかを共有してください。通院の頻度や日常生活で困っている動作も踏まえ、無理なく継続できる治療計画を一緒に考えます。自宅でのケアは、症状を悪化させない範囲で行うことが基本です。画面の高さや椅子の位置を調整し、同じ姿勢を長く続けないことも予防につながります。
手や腕のしびれ、力が入りにくい、歩きにくさ、強い頭痛、発熱、胸の痛みなどを伴う場合は、早めの受診が必要です。長引く肩こりも、適切な診断と治療で改善への道筋が見えてくることがあります。「年齢のせい」「仕方がない」とあきらめず、まずは整形外科へご相談ください。
和田整形外科クリニック
院長 医学博士 和田慎一
日本整形外科学会専門医
日本リウマチ学会専門医
日本スポーツ協会認定スポーツドクター
日本運動器科学会理事
東京都臨床整形外科医会副会長